タオルや洋服など生活の一部として毎日触れるテキスタイルですが、建築設計の現場において扱う機会が多いのは外部との境界となる窓廻りです。特に日差しの強い面は室内の温熱環境を保ったり調整したりすることのできる便利なものです。
また、内部空間で使用する場合もあります。
写真は2017年に竣工した“東京合宿所”というRC造地上4階建てのシェアハウスです。
2本の螺旋階段による吹抜を中央に持ち、それぞれから住室にアプローチするのですが、視線が往来する共用部で、光を取り入れ各々の気配を感じながらも、空間を緩やかに間仕切る素材として計画をしました。
空間の骨格を印象付ける要素として用いることが多いため、特に重要な空間ではテキスタイルデザイナーと協働することも多く、計画のなるべく初期に空間のイメージをお伝えしながら、サンプル製作を複数回重ねることで進めています。
写真を見て戴くとお分かりになると思いますが、ニュアンスとして菱形の格子が見て取れると思います。これは、2枚のテキスタイルを重ねて表現してあるのですが、その内1枚に金属で模様を蒸着させることで表現がされています。また2枚重ねることでそれらが間接的に気配として知覚できる工夫が施されています。
現在計画中の建築でも、空間の中央にカーテンがあり、印象強く扱われる予定です。
ぜひ今後の作品をまたご覧いただければ幸いです。
TA+A
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